集会記録
○ 報告者 夜間中学校講師 澤井留里さん
* 「人間は学ばなければ生きていけない」
* 学習権:人権の核 すべての人に保障しなければならない。補償教育。/国、自治体に責任。
* 夜間中学校は全国に31箇所(8都府県。神奈川、東京、千葉、大阪、京都、奈良、兵庫、広島)。神奈川5校から1校に統廃合。
* 夜間中学は、なくてはならない学校という一方で、あってはならない学校といわれている。
* 夜間中学を知らないで生活をしている方々。鈴木つやさんの作文。
* 法的整備と実態把握。国(政府、国会)に大きな動き。
* 法的措置がない実態と60年来の努力。夜間中学の法制化を求めて来た歩み。
* 当事者の声を議員にぶつける大切さ。
* 川口の少年の事件。
* 澤井さんの考える学校とは?学校を希望の場へ。少人数(どのこも目が届く人数)。多文化共生。点数序列無し。完全無償。
* みんなでやることは「生命を守る」こと。
* 社会全体の課題。子育てで教育の考え転換。社会全体の教育力を総動員。労働、芸術、自然、学校の先生以外にも良い先生がいっぱいいる。
質問
Q埼玉県川口市の夜間中学への入学者の人数は。
Aデータはある。映画「学校」で自主夜間中学校ということばに助けられたひとがつい最近もいた。
Qここにきて法的な動きが出て来たが。
A絶対にあきらめない。法的措置は必要なので。
○ 報告者 登校拒否不登校を考える東京の会代表 山本尚由さん
* 「多様な教育機会確保法案」について、学校の先生の議論は少ない。
* 「不登校の子にとっては戦争法案と同じくらいの重みがある法案。時間をかけてしっかり話し合って欲しい。」
* 今年の5月27日に座長思案として提案された。今の馳浩文科大臣が当時座長であった。
* 夜間中の問題と登校拒否、不登校の問題とを分けろという法案になってしまっている。
* 「議員立法」という建て前。
* 私のスタンスは、夜間中との問題と切り離せということ。また、「個別学習計画」には賛成できない。
* 親の実情に立っていない。軋轢やプレッシャーが掛かることが懸念。
* 中学証書もらうと、夜間中学などの入学が今年の7月まで出来なかった。
* 「寝耳に水」の突然の法案にびっくり。
質問
Q「多様な教育を考える」時に抜本的にこういうことをという具体的な声をあげていかなくてはと思う。
A運動をしている者には答えているようだが、一人ひとりの親の置かれている状況に丁寧に声を拾い上げている感じがない。
澤井:自主夜中では証書がでない。
Q病院にはほとんど行かない。貧困のことほとんど分からない。教師を家に入れない。教師もオドオドして手が出ない。親と一緒に立てこもってしまう。福祉の面で教育保障が出ていいはずだが。
A親の会のようなものに出て来られる親、熱心だが出て来られない親もいる。厚生省などの動きも必要。
○ 意見交流(コーディネーター 全進研世話人 綿貫公平)
* 山本 この法案どうしたいか?
* 澤井 夜間中学は法的整備は必要。東京の8校だけでも意見が違う。「不登校は昼に突き返せ」という言葉もあった。練りにねってみんなで声にして来たので、この法案とおしたい。
* 綿貫 切り離すのはどうか。
* 澤井 切り離すことが得策なのかは考えなくてはならない。
* 綿貫 フリースクール関係者どう思う?
* 藤井 通っている子どもは情報をキャッチ出来る層。保護受給に焦点を充てているが、ここだなと感じている。生活が大変な中、危険なところに身を寄せていたある女の子「私がたのしかったことなんだろう」と考えた時、それは中学生勉強会での時間であった。それを思い出し、帰って来た。自分のやりたいところはこれ。こういう時きいてくれるのは、福祉。
* 澤井 学校は限界。映画「種まきうさぎ」を見て。社会のひとりひとりが先生になっていけばというのは理想的だろうか。
* 山本 原則的にはそうだが、この法案を巡って、不登校を生み出した根本的な問題には触れていない。
* 竹内 義務教育をしっかり議論しなければならない。憲法26条にあるように。義務教育の概念の見直し、普通教育の意義について。15歳になったら働く権利があり、働きたいという人もいる。(学校に通っていない)15〜16歳一番社会に恵まれていないと思う。個人学習をしない子どもは家庭に置かれ、個人責任にさせられそう。議論を重ねていかなければならない。夜間中学と不登校の問題は筋道立てて、分けた方がいいと思う。
* 綿貫 親の会でも出たのだが、学校がソフトな形にならなければ、外もソフトにならない。義務教育の拡充をどう図るか、またどんな子でも義務教育を受けられるようにしなければいけない。見通しをどうもつか。
* 山本 法案の見通し、自民党は多数派であるから通りそう。法案は変えられるから、変えていかなければならない。いろんな議論を重ねなければならない。
* こせきさん 一番心配なのは、現場の先生がどう受けとめているのか。私立であっても不登校で保健室登校の生徒に対し、やめるか、自主退学か迫る状況があるから。もう一つは、卒業証書をもらわずに夜中にいくのどう?と話して来た。
* 現職の教員 2ヶ月くらい前に「多様な教育機会確保法案」の動きを知った。学校でも話題に上がっていない。裏に何があるのか、気になる。多忙であるけれど、考えていかなくては。
* 高校私立教員 ここでこの法案のことを知った。現場は目の前のことで精一杯。カウンセラー任せにならないか心配。教師に理解してほしい、友だちに理解して欲しいとがあると思う。結果的にやめてしまう生徒がいる。
* 千葉から来た方 千葉には夜間中学ないため、住所を移す人が何人かいた。千葉にも夜中を作れるよう呼びかけをしたい。
* 藤井 川崎で教員をしているフリースクールのOGから連絡が有った。「夢が叶った。一つは教員になれたこと。もう一つはこの法案が通りそうなこと。」と。彼女は「フリースクールと学校の架け橋になりたい」と言っていた。学校外の学びを無視しないで。今目の前にいる子たちに何ができるか、それだけ。
* 綿貫 学校の場が語る場がないというのが、問題。そういう声を受入れる柔らかさがない、ということが。
* 澤井 学校のなかで、先生たちもそうだけど、子どもが声をあげられるようにすればいいのか。どうやって当事者たちに語ってもらうか。
* 竹内 日本の学校の矛盾。学級の級は等級で、試験がある。組制になった。子ども組の組。仲良くしなきゃダメよという。表は組で、陰は闘争。こんなに子どもにとって苦しいことはない。
* 綿貫 尾木さんが言っている開国というのは、オランダ教育をモデルにしているのだろう。
* 武蔵野市中学校教員 職場でこの法案議論になってない。子どもの中にも保護者の中にも今までにない事が起きている。学校の中の希望、教室にいたくて職員室に帰りたくないということ。
○ まとめの思い(ひとこと)
* 澤井 いろんなひとと話したかったので嬉しかった。
* 山本 親というのは、不登校の子どもと一生付き合う。今までの教育では社会が維持出来ていない。
○ 閉会のことば
*草刈 短い時間で広い話が出来た。本日法案の4章勉強出来た。これから勉強していく。