全進研 イベントのご案内

2015年5月31日作成

全国進路指導研究会・世話人会

全進研セミナーの紹介

 

―2014年の夏のセミナーから2015年の春のセミナーまで

 

2014年夏のセミナー  8月3日  東洋大学スカイホールにて

テーマ:子どもたちは「有権者」でこそないが「主権者」だ

 

基調講演子どもたちは「有権者」でこそないが「主権者」だ

林 大介(東洋大学 社会学部 助教)

 

報告1 社会の主人公となる主体形成を! 小池 由美子(埼玉:県立高校教諭)

報告2 札幌学生ユニオン 活動報告    小川 遼(共同代表)

報告3 若者がつどい、声をあげることから、10代の政治参加を目指す

 

青木 大和(大学生「僕らの一歩が日本を変える」代表)


全進研は1963年、全国教研集会(鹿児島)で「能力主義」を批判する立場で、立ち上げた。50年大会までは、夏に3日間の大会を実施。それ以降は、年に4回のセミナーを開催している。全進研では、菊地良輔氏(同年6・29逝去)が提起した全進研三原則(菊地良輔著「民主教育における進路の指導」明治図書 1968年)を基盤にしてきた。

 

今日、これに加えて、「政」を課題にすることが急務であると考え、「18歳は大人」とする社会へというテーマを立てた。政治に期待をもてないとしながらも、若い世代が行動を起こしているという事実もある。そういった活動の報告を受けながら、「政」の教育実践の課題などを含め、子ども・青年を「主権者である」という実感をもった大人に育てていくためにできることを検討した。中学・高校の教員、学生、研究者、報道関係、NPO関係など、さまざまの立場の方々の参加があり、有意義な会となった。

 

 

2014年秋のセミナー  11月4日  武蔵野プレイスにて

テーマ:中3の「受験期」 どんな取り組みを していますか?

 

報告1「受験期の悩み」にどう向き合うか

中村 岳夫(中野区立北中野中学校教諭)

 

受験期、誰より深く悩み、考えているのは中3の生徒自身。だからこそ互いの思いを率直に出し合い、支え合う実践に取り組んでいます。

 

 

報告2 細かい数字にふりまわされないために
佐藤 康尚(練馬区立関中学校教諭)

 

中学校では、どんなデータで「指導」していますか。「500点満点で何点?」を目標&判断材料として(都立結果との検証データを)提示しています。

 

 

中3のこの時期は、進路選択・決定に向けて不安に陥り、孤立感や孤独感に押しつぶされそうになる時。一方、教員側はどうしても進路希望調査に基づきつつ、点数や偏差値を意識した進学指導になりがちな時期である。ともすると、一番肝心な生徒たちの気持ちを理解しないまま機械的で振り分け的な「進学指導」に陥る危険がある。
 そこで、この時期にこそ、「生徒たちの固くなったその気持ちを少しでもほぐすように」と取り組んだ二つの実践を取り上げた。

 

 

2015年冬のセミナー  2月8日  アカデミー茗台にて

テーマ:『ブラック企業に負けない!学校で労働法労働組合を学ぶ』

出版記念学習会

 

報告1 「ブラック企業に負けない力」を育てる授業

角谷 信一(千葉県立高校教諭)

 

報告2 「働くルールを学ぶ」実践上の留意点

笹山 尚人(弁護士、東京法律事務所)

 

 

学校で『労働法・労働組合を学ぶ!』ために…

働く人の4割が、不安定な非正規(女性は6割に及ぶ)雇用で働いている、…「就職難」と「過労死」が共存する、この国の現状。

 

教室で「働くルール」を学び合い、働く場で活かすことの出来る若者を育てることは、学校の進路指導・進路教育、「キャリア教育」の重要な一環であるばかりでなく、社会全体で市民性を育む「シチズンシップ教育」の課題でもあると考える。

昨年末出版された『ブラック企業に負けない!学校で労働法労働組合を学ぶ』のテキストにした学習会。報告いただいた、角谷信一さんの豊かな「働くルール」の実践、笹山尚人さんの法律の専門家の立場からの鋭い指摘で、次につながる充実した学習の場になったと思う。

北海道や福岡、愛知など遠方の方含め、56人の参加があった。当初準備した資料は50部、会場の決まりで、椅子を追加することもできず、ご迷惑をおかけしてしまった。

 

 

2015年春のセミナー 5月17日  武蔵野プレイスにて

テーマ:「大学入試改革」のねらいとゆくえ

 報告1 改革案の中味と問題点/中学校の現場から

中村 岳夫(都内公立中学校教諭)

 

全進研世話人代表。長く中学校の進路指導•進路教育の実践•研究を進めてきました。

 

 

報告2 高校の進路教育の現状と課題/高等学校の現場から

    諫山 和可(前都立高校教諭)

 

大学進学の希望者が多い都立高校で、独自の「キャリア教育」を、旺盛に取り組んで

きました。

 

まとめの講演  大学入試改革のねらいとゆくえ

松田洋介さん(金沢大学准教授:教育社会学)

「共通一次」試験を経て、1990年から始まった「大学入試センター試験」。「高大接続」の制度が、いま大きく変えられようとしている。その改革•改変、その真のねらいはどこにあるか、現在、明らかにされる改革内容はどのようなものか。さらに、その改革は、直接に高校生•高校教育の内容はもちろん、「中高接続(高校入試)」に、中学生•中学校教育の内容に大きな影響を及ぼすことが考えられるが、「対策」や「処方箋」を考える前に、現在の中等教育(中学校と高等学校の制度と教育内容)と高等教育(大学や専門学校など)の現状など、学校教育全体をどのように考え、学校内外での議論を深めたいということで、企画した。